子宮内膜ポリープとは?症状や原因を治療法とともに解説
2025.06.03
子宮内膜ポリープは子宮内に発生する良性の疾患です。
ポリープは子宮内膜が過剰に増えることで形成され、特徴的な丸みを帯びた形をしている腫瘍です。
不妊治療中の方や婦人科健診で指摘されることが多くあります。
子宮内膜ポリープの多くは1cm前後の大きさで指摘されます。
子宮ポリープを健康診断で指摘された、という方が多くいらっしゃいます。
子宮の構造は3つに分けられています。
子宮の出入り口である子宮頸部、子宮の真ん中である子宮体部、子宮の一番奥の部分である子宮底部に分けられています。
当院では、両方の子宮ポリープの手術が可能です。
子宮の入り口である子宮頸管にできるポリープを子宮頸管ポリープと呼びます。
子宮頸管ポリープについては以下のページで説明しています。
子宮体部~底部に囲まれた子宮内にできるポリープを子宮内膜ポリープと呼びます。
こちらのページでは子宮内膜ポリープについて説明します。
子宮内膜ポリープの発生にはさまざまな要因があり、正確な原因を特定するのは難しいのが現状です。
そのなかでも、関連性が高いといわれているのが、エストロゲンとプロゲステロンとよばれる2つの女性ホルモンです。
エストロゲンには子宮内膜の肥厚を促すはたらきがあり、一方のプロゲステロンはその作用を抑える役割を担っています。
この2つのホルモンのバランスが崩れてエストロゲンが過剰に分泌されることで、子宮内膜の一部が異常に成長してしまい、ポリープを形成するケースがあります。
また冒頭でもお伝えした通り、子宮内膜ポリープが発生する原因はエストロゲンの過剰分泌だけではありません。
以下で子宮内膜ポリープの発生に起因する症状や状態を紹介します。
子宮内膜ポリープが発生する原因の例
2つの女性ホルモンと上記のさまざまな要因が複雑に絡み合い、その影響で子宮内膜ポリープの形成が促されます。
子宮内膜ポリープが形成された場合、以下のような症状が表れるケースがあります。
子宮内膜ポリープの症状の例
上記の症状がみられる場合は早めに医師に相談して必要な治療を受けましょう。
また子宮内膜ポリープの症状には個人差があり、なかには無症状の方もいます。
気付かないうちにポリープが形成されている可能性も否定できないため、定期的に検査を受けることが大切です。
子宮内膜ポリープは自然になくなることはありません。
放置すると健康リスクが生じる恐れがあります。
子宮内膜ポリープは妊娠成立時に受精卵の着床を阻害します。
これにより妊娠がしづらい状態になり、不妊症になります。
また、妊娠が成立しても流産や早産の危険性が生じることになります。
子宮内膜ポリープは生理周期に影響を与え、不正出血や過多月経などを起こします。
重症化すると子宮内膜ポリープが増大し、出血量が多くなり貧血が進行して輸血が必要になることもあります。
子宮内膜ポリープの検査には以下のような方法があります。痛みがほぼないため、検査のための麻酔は通常必要ありません。
超音波を使用して子宮内にある内膜ポリープが認められることがあります。
生理周期により内膜ポリープの見やすさが異なります。
生理が終了した直後~排卵の前までは、子宮内を観察しやすい時期になりますので、子宮内膜ポリープを検出しやすくなります。
料金は保険適用で約1,600円です。
子宮内に細い管を通し、生理食塩水を注入させ、子宮腔を膨らませます。
内膜ポリープがあれば、超音波で子宮内腔に突出するポリープが観察されます。
料金は保険適用で1,780円です。
子宮内膜ポリープの手術はお腹を切るような手術ではなく、経膣的にアプローチする手術です。
手術は子宮鏡で行います。
以前は入院手術が主流でしたが、現在は日帰りで手術を行うこともできます。
当院での子宮内膜ポリープの子宮鏡手術については、以下のページで説明しています。
基本的には良性の疾患ですが、放置すると悪性への転化の原因になります。
内膜ポリープの大きさが13mmを超えると悪性腫瘍の可能性が1%程度あると報告されています。
悪性化の判断は事前の検査で判断することは難しく、組織診断が必要になります。
そのため、10mmを超えるような内膜ポリープであれば切除することをお勧めします。
子宮内膜ポリープの手術では細い硬性鏡を使用して手術を行います。
専用のシェーバーなどを使用するため短時間で手術を終わらせることができ、術後もそれほど出血が多くなりません。
必ずしも麻酔を必要とすることなく手術が可能です。
手術を受ける方への身体的なダメージを軽減できるため、入院は必要ではなくなっています。
現代女性の生活スタイルからは、仕事や家事などで入院が困難な場合も多くあります。
そのような方が多くいらっしゃいますので、日帰りで手術を選択する方は年々増加しています。
当院では内膜ポリープにたいして電動シェーバーによる切除が日帰り手術で可能な施設です。
多発ポリープであっても短時間で終了することが可能です。
子宮鏡下内膜ポリープ切除の回復期間は個人差がありますが、一般的には以下のような経過をたどります。
手術後、麻酔が切れるまでの数時間は痛みや不快感があることがあります。
安定した状態になるまで休息が必要です。
通常は日帰り手術なので、退院当日は自宅で過ごします。翌日からは仕事への復帰も可能です。
軽い生理痛のような痛みや少量の出血が続くことがあります。痛みや出血は徐々に軽減します。
軽い運動などは再開できる場合がありますが、無理をせずに行動してください。
重い運動や激しい活動をすると出血量が多くなることがあるため、無理のないように生活することが必要です。
通常は2週間程度で完全に回復します。
手術後に定期的に医師の診察を受け、術後の状態を確認します。
症状が改善しているかどうかを確認し、必要に応じて追加の治療を行います。
手術後の回復期間は個人の体質や症状によって異なります。
| 内容 | 料金 |
|---|---|
| 初診料 | 890円 |
| 再診料 | 380円 |
| 超音波検査 | 1,600円 |
| ソノヒステログラフィー | 1,780円 |
| 子宮鏡検査 | 1,900円 |
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院長
清水拓哉
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