生理不順(月経不順)

生理不順(月経不順)

カレンダーを見る女性生理に関する問題で婦人科を訪れる方は多く、特に若い女性にとって大きな影響を及ぼす可能性があります。生理不順や無月経は、卵巣機能への悪影響や妊娠困難のリスクを高める可能性があります。また、これらの症状はがんや骨折のリスクを高めることも知られています。婦人科疾患の兆候としても現れることがあるため、生理に関する不明点や不安がある場合は、婦人科専門医がいるレディースクリニックを受診する事をお勧めします。生理は女性の健康全体に直結していますので、適切なケアと知識が必要となります。当院では、生理に関するあらゆる問題に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

 

 

通常の生理

月経周期は「25~38日に一度」が正常とされております。レディースクリニックや婦人科では、月経周期が25~38日に一度から外れても、この周期に1週間ぐらいの誤差が生じても、問題ないと判断しております。月経に関する疑問や不安については、婦人科の専門医はのいるレディースクリニックや婦人科を訪れることをおすすめします。

受診に抵抗がある方へ

生理不順を訴えて受診されて、内診に抵抗がある場合は無理に内診を強制しません。「内診は怖い」とお悩みの方も、気兼ねなくお越しいただければと思います。また、排卵しているかどうかを確かめる場合は、基礎体温表も大切です。基礎体温表は排卵か無排卵かを見極める手段のひとつにもなります。排卵が確認できましたら、あまり深く悩む必要はありません。
ただし、排卵による体温の変化が見られない、またはその状態が3~6ヶ月続いているようでしたら、放置せずに当院へご相談ください。

年齢別の生理

女性3人組10代の女性が経験する身体の発展途上や月経の変化をしっかりとサポートします。10代の時期は初潮から数年間、生理不順が現れることもありますが、これは身体の成長と変化の一部です。20代に入ると、多くの女性は月経の周期が安定します。しかし、55歳頃に閉経を迎える前の約5年間は更年期と呼ばれ、女性ホルモンの分泌量が減少します。このような時期の生理不順(月経不順)や、女性の体調の変化に関する相談や診察は婦人科専門医のいるレディースクリニック、婦人科を訪れることをおすすめします。

 

20歳以下の場合

「生理」が3カ月以上来ていない20歳以下の女性は、注意が必要です。このような「月経不順」は、将来的に不妊の原因となる可能性や、婦人科疾患、骨粗鬆症のリスクを高める恐れがあります。婦人科専門医による早期の対応が大切ですので、異変を感じたら「レディースクリニック」や「婦人科」での受診をおすすめします。生理の健康は全体的な女性の健康に直結しているため、放置せずに適切なケアを受けることが大切です。

20~45歳の場合

20歳~45歳ころの女性の「生理不順」については、普段から生理不順(月経不順)が続いていると、多嚢胞性卵巣症候群や子宮筋腫といった婦人科疾患の可能性が高まります。これらの疾患は早期発見による対応が重要であり、早期発見の為に婦人科専門医のいる婦人科やレディースクリニックにて、定期的な超音波検査(エコー検査)やホルモン値のチェックをお勧めします。レディースクリニックによってィースクリニックもあります。婦人科領域を幅広く相談が可能で、診察から万が一の手術まで行える、専門医のいる医療機関での相談をおすすめします。

45歳以上の場合

生理不順や月経の乱れが気になる場合には、更年期障害や婦人科疾患のサインかもしれません。このような症状を放置せず、婦人科専門医のいるレディースクリニックや婦人科にて、専門的な診断を受けることが大切となります。女性のQOL向上の為にも、些細な症状からケアや検査をしていくことをおすすめします。

受診するタイミングとは

今回の生理のみ1週間遅れている


健康な方であれば大きな問題はないでしょう。しかし、生理不順や月経の遅延を感じると、妊娠の可能性も考えられます。その際は、ドラッグストア等で販売されている妊娠検査薬を使用し、確認をしてみましょう。もし陽性の結果が出た場合、婦人科専門医が在籍するレディースクリニック、婦人科、産婦人科を速やかに受診することをおすすめします。適切で正確な検査を受けることが大切となります。

周期は不規則だが、3ヶ月以上は空かない

女子中学生20歳以上で月経の周期が不安定に感じる方は、婦人科専門医が在籍するレディースクリニックや婦人科での相談をおすすめします。一方、10代でまだ妊娠を希望していない場合は、生理不順も多少は自然なこととして、しばらくの間、状態を観察してみるのも一つの方法です。しかし、気になる症状が続く場合には、自己判断をせず、婦人科専門知識を持つレディースクリニックや婦人科の受診をすることで不安が解決されると思います。



生理が3ヶ月以上来ない

クリニック受付どの年代の方でも、無排卵の可能性が考えられるので、早めに婦人科へ受診しましょう。初潮から2~3年しか経過してない場合は、様子見で構いません。全年代に共通して、生理不順や月経異常は無排卵のサインかもしれません。このような疑問や不安を感じた際には、婦人科専門医の在籍するレディースクリニックや婦人科での早めの相談をおすすめします。ただし、初潮から2~3年しか経過していない10代の方は、多少の生理の乱れは通常と考えられ、しばらく様子を見ても良いでしょう。それでも気になる場合は、婦人科専門医のいる婦人へと相談することでいいと思います。


半年以上生理が来ない

診察室生理が半年以上も来ない生理不順や月経異常は、女性ホルモンの分泌量の異常を示唆するかもしれません。このような状況に直面したら、婦人科専門医が在籍するレディースクリニックや婦人科を速やかに受診し、専門家の意見を求めることを強く推奨します。



ダイエットによって生理が来ない

ダイエットによって生理が来ない過度なダイエットやトレーニングの影響で月経が止まる、生理不順に悩む女性は少なくありません。このような症状が現れた場合、自己判断や放置すせず、婦人科専門医が在籍するレディースクリニックや婦人科での速やかな相談を推奨します。専門家のアドバイスを受けることで、適切な対応や検査や治療が可能となります。



婦人科の診察内容と費用

診察内容

診察婦人科の診察において、基礎体温の情報は極めて大切なものです。貴重なお時間が無駄にならないよう、スムーズな診察・診断を目指していますので、患者様にはできる限り、毎日基礎体温を記録していただくようお願いしています。

基礎体温が確認できると、排卵しているか否かの手掛かりになります。
また、血液検査の結果から、ホルモンの数値も把握できます。超音波検査(エコー検査)では、卵巣と子宮内膜の状態をチェックできます。内診に抵抗感がある方もいらっしゃるかもしれませんが、当院ではプライバシーに配慮し、照明を暗くしたり、カーテンで遮る、女性看護師の同席にも配慮しておりますので、気軽にリラックスして受けていただければと思っています。生理不順で、かつ生理が長引いている、または出血量が多い場合は、子宮の疾患が隠れているかもしれません。特に20代以降の方ですと、婦人科疾患の可能性も考えられるので、子宮がん健診などを定期的に受けられることを強く推奨しております。無排卵周期症になると、子宮がんのリスクが上昇するので、薬物療法で治していく必要があります。薬物療法では、生理を調整する薬を使用していきます。多嚢胞性卵巣症候群などといった卵巣疾患がある場合は、不妊症のリスクが高くなるので、要注意です。

費用

生理不順・無月経でお越しいただいた場合、問診と血液検査、超音波(エコー)検査・薬剤の処方は、保険診療の対象となるので3割負担になります。金額の目安ですが、およそ3〜5千円かかります。

生理・排卵のしくみ

生理〜排卵前に子宮のなかでは子宮内膜が作られます。排卵後は受精卵を受け入れるため子宮内膜を着床に向けて整えていきます。
生理とは、妊娠が成立しなかった時に子宮内膜が剥がれ落ち、それが経血として排出される現象です。このように、生理は妊娠する準備によって起こるものです。
これらの働きは脳によってコントロールされていて、その指令を元に、子宮や卵巣が動いています。
この働きのサイクルは、下記の通りです。

Step1

卵胞が成熟します。子宮では、子宮内膜を厚くするため、細胞を増殖しながら受精卵を受け入れようと準備しています。

Step2

成熟したひとつの卵胞が破れて、卵子が排卵されます。

Step3

子宮内膜は、受精卵が来るまで待ち続けます。

Step4

受精卵が来なかった場合、子宮内膜は剥がれ落ち、血液と一緒に身体の外へ出ていきます。

生理不順になる原因

10代

性機能が成長しきっていないので、無排卵になることもあります。
極端な食生活によって生理が来なくなる事もあります。

妊娠期 妊娠すると生理は来なくなります。授乳期も生理が来ないことがよくあります。
更年期 女性ホルモンの分泌量が低下するため、生理不順・無月経状態になる傾向があります。
閉経後 50〜55歳頃になると、多くの女性は更年期を迎え、閉経になります。

多嚢胞性卵巣症候群

月経不順の方によく見られる疾患です。「①月経異常②超音波検査での多嚢胞卵巣を確認③血液中の男性ホルモンの上昇、または、黄体化ホルモンの高値かつ卵胞刺激ホルモンは正常値」の3つすべてを認める場合に多嚢胞性卵巣症候群と診断されます。
遺伝的な要因と環境要因が複雑に関連して発症すると考えられています。排卵が難しくなる体質になるため、放っておくと不妊症に至りやすくなります。また、2型糖尿病や心血管イベント、若年性の子宮体がんのリスクも高くなることが知られています。精神的な健康状態にも影響を与えて、うつや不安障害、摂食障害による生活の質を低下させるという報告もあります。
思春期から閉経に至るまでの長いライフステージに応じたケアが必要になってきます。
治療法としては生活指導、薬物治療を行います。肥満のある方には食事療法を行います。肥満を認めない、あるいは肥満が改善された方はホルモン療法をします。妊娠希望される方は排卵誘発剤を使用したり、体外受精を行います。
PCOSでは男性ホルモンが過剰に分泌される事もあります。
男性ホルモンが過剰に分泌されると多毛症になります。当院では薬物療法だけではなく医療脱毛でも体毛に関するお悩みを解決できます。

高プロラクチン血症

「プロラクチン」とは、赤ちゃんを産んだ後に分泌される、授乳に不可欠なホルモンです。排卵を抑制する働きがあるので、生理不順や無月経が起こりやすくなります。「高プロラクチン血症」とは、出産していないのにもかかわらずプロラクチンの分泌量が多くなる状態であり、ほぼ全ての症例に乳汁分泌がみられます。
月経不順や不妊症の20%程度に高プロラクチン血症が関係しているとのデータもあります。
治療にはプロラクチンの分泌を抑制するドーパミン作動薬を内服します。
脳腫瘍や乳腺疾患などが原因で高プロラクチン血症になる事もあります。この場合には原因となる疾患を治療します。胃薬や向精神薬などの内服でもプロラクチンの分泌を過剰に促すものもあります。
その場合には内服薬の中止が可能かを主治医と相談する必要があります。

甲状腺機能障害

甲状腺から出てくるホルモンの働きに異常が生じると、生理不順になります。甲状腺機能障害は、生理不順以外の辛い症状も現れやすくなります。
例えば、疲労感を感じやすくなったり、めまいや冷え症、汗をかきやすくなったなどの更年期症状と類似した症状が出たりします。当院では更年期症状がでている方には甲状腺ホルモンの検査も行っています。
ぜひ相談してください。

過度なダイエットや運動・ストレス・肥満

過激なダイエットやハードなトレーニング、ストレスによる生理不順・無月経は、若年層に多く見られます。無排卵になり、そこからさらに悪化すると、女性ホルモンが分泌されなくなります。
規則正しい生活習慣、患者様に合った食事と運動、質の高い睡眠、適正体重の維持などを心がけておくと、排卵が回復しやすくなります。また、その改善・療法を受けていただくため、他の医療機関へ紹介することもあります。

生理不順になるリスク

女性ホルモン分泌ができていない場合

10~20代の女性にとって、正常に子宮を成長させるには、女性ホルモンの分泌は必要不可欠です。また、女性ホルモンは、骨粗しょう症や脂質異常症のリスクを抑える働きも持っています。そのため分泌量が減ると、骨折や心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクも高くなります。
さらに、子宮の萎縮も進むので、妊娠しにくい身体にもなってしまいます。
そのため女性ホルモンの分泌量が少ない場合は、ホルモン治療が必須です。

排卵ができていない場合

無排卵状態を放っておくと、将来妊娠しにくくなったり、がん化のリスクが高くなったりします。また、生理不順によって大事なイベントと生理の日がかぶってしまうといった、トラブルも起こりやすくなります。さらに、多嚢胞性卵巣症候群を発症している可能性も考えられます。

治療法

妊娠したい場合は、排卵誘発薬を処方していきます。妊娠を考えていない患者様には、低用量のホルモン剤を用いて、がんリスクを抑えていきます。連続で服用できるホルモン剤を使用すると大事なイベントと生理日がかぶらずに済みますので、生理周期がコントロールしやすくなります。

基礎体温の記録

基礎体温婦人科の診察において、排卵の有無が確かめられる基礎体温表の記録はかなり大切です。
ご自身の身体の状態をチェックする上でも不可欠なものです。また、基礎体温を毎日測定・記録することは、妊娠を準備する上でも必須とされています。毎日記録して、身体からの危険信号を見逃さずに受け取りましょう。

卵巣予備能検査(AMH検査)

卵巣予備能とは、いま妊娠する機会がどの程度あるのかを評価する指標になります。
卵巣には卵胞という嚢胞状の構造があります。そして、卵胞の中に卵子があります。
卵胞数は年齢とともに減少することがわかっています。出生時には約200万個ある原始卵胞は思春期で5〜10万個、35歳を超えると減少率が加速して閉経時には0個になります。
卵巣内に残っている卵子の数に相関関係を持つと考えられているのが、卵胞の顆粒膜細胞から放出されているミュラー管ホルモン(AMH)であり、その値を測ることで卵巣予備能を評価することができます。
「卵子の数」はAMHで評価することができますが、「卵子の質」は評価できないことに注意が必要です。卵子の質は年齢に依存すると考えられています。
ただし、25歳未満の女性ではAMH値と卵巣予備能の相関関係がないため検査はお勧めしません。また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といった排卵障害では排卵できない卵胞数が増加するので AMH値が高くなります。
また、40歳未満で10 ng/ml 以上、または40歳以上で5 ng/ml を超えるようなAMH値だと排卵障害を疑います。

年齢と抗ミュラー管ホルモン(AMH)値の関係

年齢 平均AMH値(ng/ml)
25 4.0
30 3.0
35 2.0
40 1.0
45 1.0
50 0
TOPへ