子宮頸管ポリープ切除

子宮頸管ポリープとは?

診察子宮頸管ポリープは、子宮頸部の粘膜が増えた結果、子宮頸管の中に指のように突き出た腫瘍です。ポリープはほぼ良性の、「がん」に当てはまらない腫瘍です。
発症する原因は解明されていません。しかし女性ホルモンの影響や、細菌感染による炎症が原因ではないかと考えられています。自覚症状に乏しい方も多いのですが、不正出血が起こりやすくなります。子宮頸管ポリープの組織は脆くて軟らかいため、性行為や激しいスポーツを行った後に不正出血を起こしたり、膿っぽいおりものが増加したり、血が混じったおりものが出たりすることもあります。ほとんどは赤みがかったピンク色で、ほとんどの場合、約1cmにも満たないサイズをしています。

診断

腟鏡や子宮鏡などを使用して診察・診断を行います。特に子宮がん検診では、子宮口を見るため、無症状のポリープが発見されるケースも多々あります。子宮頸管ポリープの殆どは良性のですが、ごく稀に悪性と診断されるケースもあります。頸管ポリープを切除したうちの約0.1%に悪性のものが含まれていたという報告もあります。子宮頸管ポリープでも悪性のものも含まれていることもあり、頸管ポリープを見つけたら切除して病理検査を行います。

治療法

子宮頸管ポリープ切除術

処置室ほとんどの方が外来で切除をしますが、ポリープによる出血・分泌物がある場合には手術室で切除を行います。また、頸管ポリープの切除により出血が多くなるような予測が付く場合(ポリープの茎が確認できない等)には手術室で切除を行います。その際には、麻酔をかけている間に電気メスを用いて切除します。切除した後、2〜3日は出血を起こすこともあります。出血が起こった際は、止血剤や出血箇所を電気メスで止血することもあります。感染もしやすい状態になるので、細菌感染を防ぐ抗生物質を処方します。
組織検査で切除したポリープを調べ、悪性腫瘍かどうかを確かめます。
ポリープを切除したのにもかかわらず出血や分泌物が出てきた場合は、子宮頸がんの可能性も考えられるので子宮頸部細胞診(パパニコロウ検査)を受けていただきます。
また、子宮内膜生検(子宮の内膜の組織サンプルを取って顕微鏡で調べる検査)や子宮鏡検査を実施して子宮体がんの有無を探っていきます。

検査から診断までの流れ

この項目では、子宮頸管ポリープの検査内容、治療法、診断の流れについて説明します。

1診察

まずは内診を行い、子宮頸管ポリープがないか探ります。内膜ポリープや粘膜下筋腫の下垂がないことを確認できましたら、経腟超音波検査を実施します。
不正出血やおりものの異常がある場合は、一緒にその原因も確かめていきます。

2手術

子宮頸管ポリープの切除を行います。
ポリープの根元をペアン鉗子で持ち、捻じ切ります。
麻酔をかけなくても、施術中の痛みはほとんど伴いません。わずか数秒で切除が完了します。切除後の出血は少量ですみます。

3術後の注意点

切除した箇所から少しだけ血が出るので、数日ほど茶色いおりものが出ます。
通常、数日経過するとおりものは元の状態へ戻りますので、ご安心ください。
大きなポリープを切除した場合は、まれに出血が続くケースもあります。その場合は放置せず、必ず当院へ再診してください。

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