バルトリン腺とは
バルトリン腺は、腟の入口から1~2㎝、斜め奥にある分泌物です。エンドウ豆大の形をしていて、左右それぞれに一つずつ存在します。
性行為に必要な粘液を出す働きを担っています。腟の入り口には、分泌液を出す約2mmの大きさのバルトリン腺開口部が、左右に存在します。
バルトリン腺から生み出された粘液が導管を通過し、この開口部から出されます。
バルトリン腺嚢胞とは
分泌液の通過に必要な導管が詰まると、管の中にネバネバした分泌液が溜まります。その結果、嚢胞(のうほう)が生じるのです。バルトリン腺嚢胞のほとんどは、バルトリン腺自体が腫れるよりも、分泌物の出てくる導管が腫れることで大きくなったものです。
腟の入り口近くがピンポン球のサイズまで腫れるケースもありますが、痛みを伴わないケースもあります。導管の詰まりを改善させると、腫れは治まります。また内容液は、無色でかつ、透明という特徴を持っています。
発症原因
詰まる原因は未だに分かっていません。確率は低いのですが、性感染症から発症するケースもあります。
症状
腟の入口近くがピンポン球ぐらいのサイズまで腫れることがありますが、多くの場合、痛みは生じません。
感染から膿瘍ができると、特定の箇所に強い痛みが生じ、赤く腫れていきます。
特徴
嚢胞は約2%の女性に現れます。20代で発症するケースがほとんどで、年とともに発症リスクは下がっていきます。
治療法
痛みがひどい急性期でしたら、切開や抗生物質、鎮痛剤の処方を行います。
膿瘍ができた場合は、切開や穿刺(せんし)、造袋術によって膿を出して、痛みを改善させます。