子宮頸がん検診の結果一覧
扁平上皮系
- NILM(エヌアイエルエム):陰性。異常なし
- ASC-US(アスカス):軽度上皮内病変疑い
- ASC-H(アスクハイ):上皮内病変疑い
- LSIL(エルシル):軽度異形成の疑いあり
- HSIL(ハイシル):中度から高度の異形成あり
- SCC(エスシーシー):扁平上皮がんの可能性あり
腺細胞系
- AGC(エイジーシー):異型腺細胞あり
- AIS(エイアイエス):上皮内腺がんの可能性あり
- Adeno-carcinoma(アデノカルチノーマ):浸潤をともなう腺がんがみられる
- Other malig:他のがんがみられる
子宮頸がん検診は、正式には子宮頸部細胞診と言われる検査を行っています。
子宮頸部細胞診は、ベセスダ分類といわれる評価方法によって、上記のように分類されています。
それぞれの項目に推定される病理診断が割り当てられています。
ベセスダ分類では、子宮頸がんの要因であるHPVの感染初見を考慮した分類になっています。
その結果により、精密検査であるコルポスコピー検査やハイリスクHPV(ヒトパピローマウイルス)検査を行う必要性があるのかを判断します。
NILM
読み方
エヌアイエルエム
NILMとは
NILMは正常な所見です。
通常は2~3年ごとに定期検診をしますが、HPV検査を行っている場合、HPV陽性であれば1年毎に定期検査をしていきます。
引き続き定期的な子宮頸がん検診を行いましょう。
ASC-US
読み方
アスカス・アスクユーエス
ASC-USとは
ベセスダ分類では診断が難しい異型な細胞に関するカテゴリーがASC(異型扁平上皮細胞)として分類されました。
ASC-USは軽度異形成を疑う所見ですが、軽度異形成と推定するまでの所見には至らず、一時的なHPVの感染が見られる場合につけられます。
東京都予防医学協会の報告では、2013年~2017年の検診者の0.85%がASC-USと診断されています。
ASC-USの今後の方針
ASC-USと診断された場合には2つの方針があります。
- ハイリスクHPV検査を行う。
- 半年後に再検査(子宮頸部細胞診)を行う。
ハイリスクHPV検査が陽性であればコルポスコピー検査を行います。
陰性であれば1年後に子宮頸部細胞診を行います。
半年後の再検査でASCーUS以上の診断であれば、コルポスコピー検査を行います。
LSIL
読み方
エルシル・ローシル
LSILとは
HPV感染や軽度異形成が推定される場合に診断されます。
東京都予防医学協会の報告では、2013年~2017年の検診者の0.87%がLSILと診断されています。
LSILの今後の方針
コルポスコピー検査を行います。
軽度異形成と診断された場合には、4~6ヶ月ごとにコルポスコピー検査を行います。
HPV検査でHPVが検出されないか、あるいはHPV16型、18型、31型、33型、35型、45型、52型、58型以外のHPVが検出された場合には1年後に子宮頸部細胞診やコルポスコピー検査を行います。
HSIL
読み方
ハイシル
HSILとは
HSILは高度な異形病変(前がん病変)や中等度の異形成を示唆する所見と考えられます。
東京都予防医学協会の報告では、2013年~2017年の検診者の0.33%がHSILと診断されています。
HSILの今後の方針
コルポスコピー検査を行います。
中等度の異形成であれば3~4ヶ月ごとに経過観察をします。
HPV検査でHPVが検出されないか、あるいはHPV16型、18型、31型、33型、35型、45型、52型、58型以外のHPVが検出された場合には6ヶ月ごとにコルポスコピー検査を行います。
高度の異形成の場合には円錐切除術などの手術を行います。
ASC-H
読み方
アスクハイ
ASC-Hとは
ASC-Hは高度な異型変化を示唆する所見が見られたときに診断されます。
閉経後の方では、女性ホルモンの低下による膣の乾燥、萎縮による変化でASC-Hと診断されることもあります。
その場合には、女性ホルモン剤をあらかじめ使用してから、再度、子宮頸部細胞診を行います。
ASC-HはASC全体で10%未満になるように定められています。
東京都予防医学協会の報告では、2013年~2017年の検診者の0.24%がASC-Hと診断されています。
ASC-Hの今後の方針
ASC-Hであればコルポスコピー検査を行います。
コルポスコピー検査で高度の異形成の場合には円錐切除術などの手術を行います。
検査と治療にかかる費用の目安
内容 | 料金 |
---|---|
初診料 | 890円 |
再診料 | 380円 |
子宮頸部細胞診 | 1,070円 |
HPV検査(9種類) | 2,600円 |
コルポスコピー検査+生検 | 5,000円 |