ピルの服用を検討中の方や、すでに服用している方に向けて、顔にむくみが現れた際の対処法を解説します。
ピルの副作用のひとつに、女性が気になりやすい「顔のむくみ」があります。
顔がむくむと太って見えることもあり、外見の変化にショックを受ける人も少なくありません。
そこで今回の記事では、ピルの服用で顔にむくみが現れる原因と、気になる場合の対処法についてご紹介していきます。
参考にしていただければ、むくみが治まる時期や対処の仕方がわかり、ピルの服用に対して安心できるようになるはずです。
ピル服用による顔のむくみの原因と注意点
ピルを服用すると顔にむくみが感じられることがあります。
主な原因はホルモンバランスの乱れであり、その仕組みについて詳しく見ていきましょう。
また、顔にむくみが現れたとき、注意すべきこともあわせて解説しますので服用の際の参考にしてください。
黄体ホルモンの影響
まずピル服用中に顔にむくみが現れるのは、黄体ホルモンやアルドステロンの影響です[1]。
生理前にむくみやすいと感じる方がいらっしゃるでしょうが、同じくホルモンバランスの影響によります。
黄体ホルモンは別名プロゲステロンと呼ばれ、水分を蓄える働きがあります。
特に下半身に水分を溜め込みますが[1]、人によってはピル服用によるホルモンバランスの変化で顔のむくみが感じられることもあるでしょう。
ピルを服用していて顔のむくみが感じられたなら、黄体ホルモンが増加していることを示します。
体がピルに慣れると、むくみが軽減する場合もあります。ただし顔や手足、下腹部にむくみが出るときは、黄体ホルモン増加の影響と考えられます。
服用開始直後の体の反応
ピルの服用を開始した直後は、むくみだけでなく次のような副作用が起こることがあります。
【副作用】
- 不正出血
- 吐き気・嘔吐
- 眠気
- 胸の張り
- 頭痛
- 下腹部痛
以上のような症状が現れることがあり、「なんとなく体調が優れない」と感じられることもあるでしょう。
しかし服用を続けていくと軽減されることもあります。
もし軽減されないようであれば、医師に相談をすれば対処してもらえるはずです。
むくみと血栓症リスクの関係に注意
ピルで顔にむくみが現れたときは、血栓症にも注意が必要となります。
もし急激にむくんだり、むくんでいる場所に痛みを伴う場合は、深部静脈血栓症が引き起こされている可能性があるためです。
ピルを服用すると、血栓症のリスクが上昇するとされています[2]。
特に喫煙をする方や年齢が高い方、BMI値が高い方ではリスクが大きいとされているため注意してください。
もしむくみが尋常ではなかったり、むくみとともに頭痛や息切れ、胸の痛みなどが発生した場合は、すぐに病院を受診しましょう。
むくみの持続期間と経過の目安
ピル服用による顔のむくみは、服用を開始してから3ヶ月程度で治まることがほとんどです。
個人差はありますが、服用を続けるうちに体が慣れてむくみが次第に収まるケースが多いとされています。
そのためむくみが気になったとしても、服用開始から3ヶ月間は様子を見るようにしてください。
ほかの副作用に関しても、最初の3ヶ月間で起こりやすいと言われています。
深刻な状況であれば病院を受診すべきですが、3ヶ月後には気にならなくなっていることがほとんどです。
服用開始から1ヶ月のむくみの状態
服用開始から1ヶ月間は、夕方から夜にかけてむくみが気になることがあるでしょう。
ピルの服用を始めてから数日経ったころに感じやすくなります。
この時期のむくみは一時的なもので、多くの人が経験します。体がホルモンバランスの変化に適応している過程と考えられます。
1~2ヶ月のむくみの状態
服用開始から1~2ヶ月経つと、少しずつむくみが落ち着いてきます。
身体がホルモンバランスの変化に順応してくるため、1ヶ月目ほどのむくみは現れなくなるでしょう。
むくみが続く場合の対処法
もし3ヶ月以上むくみが続く場合は、医師に相談してください。
他の病気が原因の場合や、ピルの種類を変更した方がよい場合もあります。
まずは3か月ほど様子を見て、それでも治まらない場合は医師に相談しましょう。
顔のむくみを軽減するための対策方法
ピルの影響だとわかっていても、顔のむくみは気になることでしょう。
そこで顔のむくみを軽減するための対策方法をご紹介します。
むくみで困っている方は、ぜひ下記の方法を試してみてください。
食生活の改善
ピルの服用で顔にむくみが見られるなら、まずは食生活を改善しましょう。
控えるべきなのは「塩分」と「アルコール」です。
塩分は体に必要な成分ですが、摂りすぎるとむくみの原因になります[3]。
ナトリウムは細胞の浸透圧を調整する作用を持つため[3]、摂取量によっては体内の水分バランスが悪くなることがあるためです。
アルコールは肝臓に負担をかけるため、摂取するとむくみにつながる可能性があります[4]。
食生活を改善するとむくみが軽減されます。
塩分やアルコールを控えることで、むくみの軽減や生活の負担の軽減につながるでしょう。
ストレッチ・軽い運動
ストレッチや軽い運動をすることも大切です。
身体を動かすと血流が促進されるため、体内の水分排出を促せます。
それほど強度の高い運動をする必要はありません。
自宅で軽くストレッチをして筋肉をほぐしたり、ウォーキングや水泳などを行うだけでもよいでしょう。
特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることが多い方は、むくみ解消のためにも健康のためにもストレッチや運動を日々の生活に取り入れてください。
マッサージ
ピル服用中の顔のむくみに対処するには、就寝前のマッサージも効果的です。
マッサージをすると運動をするのと同じように、血流改善効果が期待できます。
いつ行っても構いませんが、就寝前に行うと翌朝の顔のむくみを軽減できるでしょう。
顔のむくみ改善マッサージはさまざまな種類があります。
毎日実践できそうなマッサージ方法を調べて、短時間でも良いので実践してみましょう。
ピルで顔にむくみが現れたら3ヶ月間は様子を見て
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、ピルで顔のむくみが現れる理由や対処法がご理解いただけたと思います。
ピルを服用し始めたころは、多くの方がむくみを感じますが、適切に対処することで気にならないレベルまで軽減できるはずです。
Ladies clinic LOG 原宿では、女性の健康に考慮した医療サービスをご提供しております。
ピル服用による顔のむくみに関するご相談にも真摯に対応いたしますので、ピルをお求めの方はぜひ当院までお気軽にご相談ください。
渋谷・原宿・明治神宮前・表参道の婦人科・産婦人科 - LOG原宿
[1]
参照:JSTAGE:(PDF)成人女性における下肢のむくみと月経周期の関連
[2]
参照:厚生労働省化学研究成果データベース:(PDF)女性ホルモン剤と血栓症
[3]
参照:健康21アクション支援システム:ナトリウム(なとりうむ)
[4]