低用量ピルを服用している方の中には、「うっかり飲み忘れてしまったらどうすればいいの?」と不安に感じる方も多いでしょう。ピルは毎日決まった時間に服用することで効果を維持できます。そのため、飲み忘れた場合は適切に対処することが大切です。
本記事では、飲み忘れた日数やタイミング別の対応方法に加え、避妊効果や月経周期への影響、飲み忘れを防ぐための工夫などをわかりやすく解説しています。いざというときのために、ぜひ参考にしてください。
低用量ピルを飲み忘れた場合の対処法
低用量ピルを飲み忘れてしまったときは、いつ、何日間飲み忘れたのかによって対応が変わります。適切に対応すれば避妊効果を維持できる場合もありますが、時には緊急避妊薬の服用が必要になることもあります。
ここでは日数ごと、週ごとの対処法を詳しくご紹介します。
ピルを1日飲み忘れた
1日だけ飲み忘れた場合は、気付いた時点で1錠服用し、その日の通常の服用時間にも当日分を飲みます。つまり、合計で2錠を1日で飲む形になります。
避妊効果はほとんど低下しないとされていますが、飲み忘れたタイミングが休薬明けの1週目や3週目の終盤であれば、念のため緊急避妊薬の検討も必要です。休薬期間が7日を超えてしまうと排卵が起こりやすくなるため注意しましょう。
ピルを2日飲み忘れた
2日間連続して飲み忘れてしまった場合は、まず1錠をすぐに服用し、いつもの時間に当日分を飲むようにします。つまり1日で2錠を服用することになります。
ただし、避妊効果は一時的に低下するため、7日間連続して正しくピルを飲むまではコンドームの使用や性交渉を回避する方が良いでしょう。飲み忘れが何週目かによって、妊娠のリスクや対応も変わってきます。
ピルを1週目に飲み忘れた場合
1週目の飲み忘れは、特にリスクが高くなります。休薬期間の直後に飲み忘れがあると、排卵が再開する可能性があるためです。
この時期に性交渉があった場合は、早めに緊急避妊薬の服用を検討してください。性交渉がなかった場合でも、ピルを7日間連続で飲むまでは避妊対策を徹底しましょう。
ピルを2週目に飲み忘れた場合
2週目の飲み忘れでは、直前の7日間にきちんと服用できていれば大きな問題はないとされています。緊急避妊薬の必要性は低く、そのまま服用を続けることができます。
ただし、直前に服用していない場合はリスクが高まるため、自己判断が必要になります。必要に応じてアフターピルの使用を検討しましょう。
ピルを3週目に飲み忘れた場合
3週目の飲み忘れは次の休薬期間に影響します。妊娠を防ぐには、休薬期間を設けずに新しいシートを開始する方法が推奨されます。
つまり、現在のピルを飲み終えたら、は飲まずにそのまま次のシートの実薬に進むのが基本です。生理日が多少ずれても問題はありません。
性交渉があり、7日間以上ピルを飲み忘れていた場合は、妊娠のリスクを踏まえて緊急避妊も視野に入れてください。
ピルを3日飲み忘れた
3日連続で飲み忘れてしまった場合、避妊効果は大きく下がっています。すでに生理がきてしまっている可能性があるため、現在のシートは使用を中止しましょう。
新しいシートのピルは、生理が始まってから5日以内に飲み始めてください。次のシートでは7日間連続で服用するまで、必ず避妊具を使うか性交渉を避けるようにしましょう。
性交渉があった場合は、アフターピルの使用を検討する必要があります。
ピルを4日飲み忘れた
4日以上飲み忘れた場合は、避妊効果はほとんど期待できません。この場合も、現在のシートは破棄し、生理が始まってから5日以内に新しいピルの服用を再開してください。
避妊の再開には連続7日間の服用が必要なので、その間はコンドームの併用や性交渉をしないのが安全です。また、直近5日以内に性交渉があった場合、妊娠の可能性を考慮しアフターピルの使用を優先的に考えましょう。
安全な避妊を継続するには、今後の飲み忘れを防ぐための工夫も必要です。
ピルを飲み忘れた場合のリスク
低用量ピルは、毎日決まった時間に服用することで安定した避妊効果を発揮します。しかし、飲み忘れてしまうとその効果が薄れ、身体にさまざまな影響が出てくる場合があります。
ここでは、ピルの飲み忘れによって起こりうる代表的なリスクを見ていきましょう。
不正出血が起こる
ピルの飲み忘れによってホルモンの分泌バランスが崩れると、予定していないタイミングでの出血(不正出血)が見られることがあります。これは、体内のホルモン量が一時的に減少し、子宮内膜が不安定になることで起こる現象です。
ピルを1日でも飲み忘れると出血のきっかけになる場合があり、シート後半での飲み忘れは発生頻度が高くなる傾向があります。軽度の出血であれば自然に治まることも多いですが、繰り返す場合は服用リズムの見直しが必要です。
避妊効果が減少する
もっとも深刻なリスクは避妊効果の低下です。ピルは7日以上連続で服用することによって排卵を抑える仕組みですが、2日以上連続して飲み忘れると排卵が再開される可能性があります。
特にシートの1週目や3週目での飲み忘れは、妊娠のリスクが高まるタイミングです。実際にピルの年間避妊成功率は約99%と高いものの、飲み忘れなどのミスがあると90%程度まで下がるとも言われています。妊娠を望まない場合は、飲み忘れ後は、アフターピルの使用や避妊具の併用を検討することが重要です。
月経周期がずれる
ピルを飲み忘れると体内のホルモンバランスが乱れ、月経周期が通常の予定からずれてしまうことがあります。例として3日以上連続で飲み忘れた場合は、ピルの影響が薄れ、自然なホルモン周期が戻って排卵が起こるため、本来の休薬期間ではない時期に生理が始まる可能性が出てきます。
月経移動を予定していた場合は、計画に影響が出て生活に支障をきたすこともあります。また、月経が早まることで、その周期における避妊効果が十分ではなくなるため、再度ピルの服用を始める際は、十分な避妊管理が必要です。
ピルを飲み忘れて生理が来たらどうする?
低用量ピルの飲み忘れが続いた場合、月経と同様の出血を起こすことがあります。このような場合は、その出血を実質的に生理が来たとみなし、現在のシートの服用は中止しましょう。
出血が始まった日を新たな「1日目」としてカウントし、5日以内に新しいシートを開始してください。新しいシートの服用開始から最初の7日間は、避妊効果が安定していないため、コンドームなどの避妊手段を併用する必要があります。
ピルの飲み忘れを予防するための方法
ピルの避妊効果をしっかり得るには、毎日忘れずに服用することが基本です。ここでは、飲み忘れを防止するための実践的な対策をご紹介します。
毎日決まった時間に服用する
ピルは毎日決まった時間に服用することで体内のホルモンバランスが安定します。飲みやすい時間を自分の生活スタイルに合わせて設定し、習慣化しましょう。
朝の起床後や夜寝る前、食後など日課の中に組み込むと忘れにくくなります。副作用で吐き気を感じやすい方は、眠る直前の服用がおすすめです。
服用するタイミングでアラームをセットしておく
スマートフォンのアラームやリマインダーを活用し、毎日同じ時間に通知が届くよう設定すると、飲み忘れを防ぎやすくなります。忙しい日でもアラームの音が自分に知らせてくれることで、安心して服用管理できるようになります。
外出時はピルケースを持参する
外出が多い方や不規則なスケジュールのある方は、ピルケースを持ち歩けば服用のサイクルを守れます。ポーチやバッグに常備しておくことで、外での服用にも対応しやすく、出先でも安心して継続できます。
旅行や長時間の外出時も、忘れずにピルを服用できるよう持ち歩きましょう。
アプリやツールを使用する
ピルの服用を管理する専用のアプリも多数登場しています。スマートフォンにアプリをインストールすれば、毎日の服用時間を通知してくれるだけでなく、服用記録もつけられます。
過去の飲み忘れも履歴で確認できるため、対処の判断にも役立つでしょう。日常的にスマホを使う方にとっては、ピルの服用を手軽に管理できる心強いツールになります。
飲み忘れ時の対応を知っておくことが安心につながる
今回は、低用量ピルを飲み忘れた場合の対処法や起こり得るリスク、そして飲み忘れを防ぐ工夫について解説しました。
ピルは正しく服用することで高い効果を発揮しますが、万が一飲み忘れても落ち着いて対処しましょう。不安があるときは、迷わず婦人科で医師に相談してください。
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