膣周辺にかゆみを感じている方に向けて、膣カンジダでかゆいときの対処法を解説します。
性器の周辺にかゆみがあると、「病院に行った方が良いのかな?」と不安になることでしょう。
実際に膣カンジダでは、かゆみや痛みを感じることがあります。
しかし病院に行くのは抵抗がある…と思われる方も少なくありません。
そこで今回の記事では、膣カンジダでかゆいと感じたときの対処法とともに、受診の目安についてご紹介します。
参考にしていただければ、かゆみに対してどのように対処すべきかおわかりいただけるはずです。
膣カンジダとは?
それでは最初に、膣カンジダの概要について解説していきます。
膣カンジダはカビが原因で発症する疾患で、白いおりものやかゆみが現れるのが特徴とされています[1]。
感染したときに見られる主な症状や、膣カンジダにかゆみが生じる理由について確認していきましょう。
膣カンジダの症状
膣カンジダに罹患すると次のような症状が見られます。
【症状】
- 白く濁ったおりものが出る
- おりものの量が多くなる
- 性交時に疼痛が起きる
- 刺激を感じやすくなる
膣カンジダの最も代表的な症状は、強いかゆみです。
さらに白く濁ったおりものがたくさん出るようになれば、膣カンジダを疑ったほうが良いでしょう。
おりものがカッテージチーズや酒粕のような、白くポロポロとした状態になることが特徴ですので、気になったときはおりものを観察してください。
性交時に痛みがあったり、刺激を感じやすくなったりすることで気がつく方も少なくありません。
膣周辺がかゆいと感じたなら、上記の症状を併発していないか確認しましょう。
かゆみが起こる理由
膣カンジダでかゆいと感じる原因は、カンジダ菌が増殖することです。
菌に感染すると免疫力が低下して、肌の炎症が起こりやすくなります。
そのため炎症によってかゆみが現れやすくなるでしょう。
膣カンジダになりやすい人の特徴
膣カンジダになりやすい人には次のような特徴があります。
【特徴】
- 妊娠中の方
- 抗生物質を使用している方
- 精神的ストレスが大きい方
- 日常的に疲労が蓄積されている方
- 風邪をひいている方
カンジダ菌が増殖しやすいのは、「免疫力が低下しているとき」です。
妊娠や出産によってホルモンバランスが変化したり、ストレスや疲労、風邪によって免疫力が低下しているときは膣カンジダのリスクが高まります。
免疫力が低下すると膣内の常在菌のバランスが崩れるため、カンジダ菌が増殖しやすい状態になるためです。
また抗生物質を使用している場合、カンジダ菌が増殖しやすい傾向になるとされます。
実際に抗生物質を服用していた方が、膣カンジダを発症したケースも[2]。
以上のように免疫力が低下すること、抗生物質を服用することによって発症されやすい傾向があると言えるでしょう。
膣カンジダを放置するとどうなる?
膣カンジダ発症のあとそのまま放置すると、完治しにくくなったり全身に症状が広がったりすることがあります。
放置していると炎症がひどくなり「全身性カンジダ症」へと進行するケースも少なくありません。
全身性カンジダ症となると全身に湿疹が広がって、命の危険にさらされることも考えられます[3]。
また全身性カンジダ症にならなかったとしても、膣カンジダの完治率が低くなる可能性があることも問題です。
膣カンジダの症状がかゆみだけであれば、しばらく放置してしまうこともあるでしょう。
しかし放置するとさらに症状が悪化したり、完治しにくくなったりしてしまうため早めの治療が必要です。
膣カンジダでかゆいときの正しい対処法
続いては「膣カンジダになってかゆい…」と感じたときの正しい対処法について見ていきましょう。
病院で検査・治療を受ける
膣カンジダでかゆい場合は、やはり病院で検査と治療を受けるのが最善の方法です。
ひとつ前の項目でも解説しましたが、膣カンジダをそのまま放置すると、完治しにくくなったり、症状がさらに広がったりすることもあります。
異変を感じたらできる限り早めに病院に行くことが正しい対処方法といえます。
検査を受けるタイミング
検査を受けるタイミングは、感染したと思われる時点から24時間以上経過した後が望ましいとされています。
できる限り早めの受診が必要だと解説しましたが、あまりに早すぎると正確な検査結果とならないこともあります。
感染に心当たりがあるようでしたら、24時間以上経ったころに病院に行くようにしてください。
治療方法
膣カンジダは外用薬にて対処するケースが多く見られます。
軟膏やクリーム、膣錠が処方されることが多く、正しく使用すれば比較的早く改善が見込めます。
場合によっては1週間ほど通院しなければならないこともあります。
一人ひとりに合った処置が行われるため、医師に相談し、適切な治療を受けることが大切です。
膣カンジダを予防するには
膣カンジダは再発することもあります。
一度罹患した方はもちろん、罹患していない方でも予防方法を知っておくべきでしょう。
それでは膣カンジダを予防するにはどのようなことに気をつけるべきか、5つのポイントから解説します。
予防法①通気性の良い下着を身に着ける
まずは通気性の良い下着を身につけることを心がけてください。
カンジダ菌は蒸れた環境にて増殖しやすいためです。
生理中のナプキンによる蒸れに注意することはもちろん、日頃から通気性の良い下着を身につけるようにすることで防ぎやすくなります。
予防法②ナプキン・おりものシートをこまめに交換する
ナプキンやおりものシートをこまめに交換することもポイントのひとつです。
前述のように、カンジダ菌は蒸れた環境にて増殖しやすい傾向があります。
同じナプキンやおりものシートをつけたままにしておくと蒸れやすくなるため、こまめに交換することで、通気性と清潔さを保てます。
予防法③かゆくても搔かない
膣カンジダを防ぐには、かゆいと感じても掻かないようにしましょう。
なぜなら膣周辺に刺激を与えると、膣を守っているデーデルライン桿菌が減ってしまうためです。
デーデルライン桿菌はカンジダ菌に対抗する常在菌なので、外的刺激によって減ってしまうと膣カンジダにかかりやすくなってしまいます。
予防法④過度な洗浄をしない
過度な洗浄をしないことも膣カンジダを予防する方法のひとつです。
掻くことと同様に、膣周辺への刺激となり、デーデルライン桿菌を減少させる原因のひとつとなります。
清潔を保つことは大切ですが、過度な洗浄は避けましょう。
予防法⑤生活リズムと食事を整える
最後に、生活リズムと食事を整えることもポイントとなります。
最初に解説したように、カンジダ菌は免疫力が低下すると増殖する傾向にあるためです。
生活を整えて免疫力を高めれば、カンジダ菌は繁殖しにくくなります。
日頃から生活リズムをととのえること、バランスの良い食事をとることによって膣カンジダにかかりにくい身体になれるでしょう。
かゆい膣カンジダに悩んでいるならすぐに受診を
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、膣カンジダでかゆいを感じる原因や対処についてご理解いただけたと思います。
放置すると悪化する恐れがあるため、かゆみを感じたら早めに検査と治療を受けることが重要です。
Ladies clinic LOG 原宿では、女性の健康を守るための治療を行っています。
膣カンジダに対する治療を受けることができます。症状が見られた場合は、早めに受診して相談するようにしましょう。
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[1]参照:愛媛労災病院:(PDF)カビとカンジダ膣炎
[2]参照:厚生労働省:(PDF)イソコナゾールのリスク区分について
[3]参照:JSTAGE:(PDF)全身性カンジダ症の憎悪におけるiNKT細胞の関与
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