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ASC-USでがんだったらどうする?がんの段階と精密検査について

女性特有の病気について不安を抱いている方に向けて、ASC-USと判断されたときにがんだったらどうするべきか解説します。

子宮頸がん検査で「ASC-US」と判断されたら、「もしかして子宮頸がんなのでは?」「治療が必要かな?」と不安になるでしょう。
そこで今回の記事では、ASC-USでがんだった場合の対処法について解説します。

ASC-USと判断されたら必ず子宮頸がんであるわけではありません。しかし可能性は捨てきれないのが事実です。
今回の記事を参考にしていただければ、ASC-US判断後の精密検査や対処法についてご理解いただけるでしょう。

子宮頸がんの原因

子宮頸がんの原因は、「HPV(ヒトパピローマウイルス)」の感染です。HPVは性交渉をされたことのある方であれば、ほとんどの場合で感染しています。しかし感染したとしても、免疫力に問題がなければ排除されてしまうウイルスです。感染も約2年しか持続しないとされています。

ただし免疫力が低下し、感染が持続したケースでは子宮頸がんへと進展する可能性も否めません。感染が持続すると病変になったり、子宮頸がんになったりすることがあります。

以上のように子宮頸がんの根本的な原因は、HPVへの感染だと言えます。

ASC-USとは?

ASC-US」とは細胞に変異が見られる状態のことです。子宮頸がんであると断定はできません。HPVやカンジダ感染によって、細胞に炎症が起きているだけの可能性の方が高いでしょう。精密検査を行って、がんと診断されることはほとんどありません。

しかしASC-USでがんだったとのケースも実際にあります。つまりASC-USとは、「細胞が変異している可能性が高く、精密検査をしてリスクを判定しましょう」とする段階です。

ASC-USと診断された際に行う検査

それではASC-USであると診断された際には、どのような精密検査が行われるのでしょうか?採用される検査は主に次の3つです。

検査1:コルポスコープ

「コルポスコープ検査」は、コルポスコープと呼ばれる拡大鏡を膣から挿入し、状態を確認する検査です。膣からの挿入だけで切除や切開は行われないため、身体への負担が少なく侵襲性が少ないことがメリットと言えます。

ただし子宮頸がんの可能性があるかもしれないと判断されれば、組織の採取が行われる可能性もあります。コルポスコープ検査による組織の採取は、次項で解説する「頸部組織診」です。

検査2:頸部組織診

「頸部組織診」はコルポスコープ検査において、より詳細に検査するために組織を採取する検査のことです。子宮頸がんの可能性があると判断された際に行われます。

膣から専用の器具を挿入して、疑わしい組織の一部を切除します。切除する面積は1mm四方ほどです。採取された組織は病理検査に提出され、がんとなり得るかどうかの検査が行われます。

組織を採取するためわずかな痛みが感じられますが、ほとんどの方にとってそれほど強い痛みではありません。しかし1~2日は出血が続くため、性交渉は控えて安静にしてください。

検査3:HPVタイピング検査

子宮頸がんへの進展リスクを調べるのが「HPVタイピング検査」です。子宮頸がんはHPV感染によって引き起こされます。しかしHPVにはさまざまなタイプがあり、子宮頸がんを引き起こしやすいものもあります。そこで感染しているHPVのタイプを特定して、子宮頸がんへの進展リスクを判定するための検査です。

HPVタイピング検査を実施すると、その後の管理が行いやすくなります。リスクの高さに応じた対応ができるためです。

検査は頸部細胞診のように少量の組織を採取するだけで終わるため、身体への負担はそれほど大きくありません。短時間で終わるため、子宮頸がんリスクを判定するには適した検査方法であると言えます。

子宮頸がんの段階

ASC-USと判断されて精密検査を行った結果、がんだったとの可能性もあると考えられます。しかし子宮頸がんにも段階があります。もしがんであると診断されたときのために、子宮頸がんの段階についても知っておきましょう。

段階1:異常なし

がん細胞が認められなかった場合は、ほぼ異常なしとの診断となります。カンジダ感染やHPV感染によって、炎症が起きたときにもASC-USとの判断がくだされることがあります。しかし精密検査にて、がん細胞が認められないことも珍しくありません。

多くの場合で経過観察となり、子宮頸がんの治療は行われないでしょう。ただしその後の進展の具合によっては治療が開始されるかもしれません。しかしいずれにしても、段階1であればほぼ異常なしと診断されます。

段階2:CIN1・2

段階2にいたった子宮頸がんは「CIN1・2」です。CIN1・2とは、異形成が軽度から中等度である状態のことを指します。異形成とは細胞の形状が通常とは違っており、子宮頸がんになる可能性がある状態です。

CIN1は子宮頸がんへの進展の可能性は低いものの、CIN2となると上皮がんの疑いも出てきます。段階2としてまとめていますが、がんのリスクは中等度であるCIN2の方が高いと言えるでしょう。

段階3:CIN3

「CIN3」は高度異形成や上皮内がんが認められた状態です。細胞の異形成が上皮から半分以上に及んでおり、「がんになる一歩手前」といえる状態となります。

浸潤性がんであると診断されることも多く、病院での治療が必要です。

段階4:子宮頸がん

ASC-USと判断されてがんだった場合の最終的な段階は、子宮頸がんを発症している段階です。
がん細胞が認められており、治療が必要となります。子宮頸がんはさらに4つのステージに分かれており、次のような4つの段階において進行します。

【子宮頸がんのステージ】

  • I期:子宮頸部のみの小さながん
  • II期:子宮頸部の外にまで広がったがん
  • III期:子宮頸部の外に広く広がっており、近隣への転移を伴う
  • IV期:小骨盤を超えて広がっており、離れた部位への転移を伴う

子宮頸がんであると診断された後は、がんの広さによって適切な治療方法が選択されるでしょう。I期からIV期のみをご紹介しましたが、ステージ内でもさらに細かく分類されます。子宮頸がんは狭く小さなうちに治療を開始することが重要です。不安があれば、すぐにクリニックを受診するようにしましょう。

ASC-US判断においてがんだったら一刻も早い治療を

いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、ASC-USががんだった場合の対処がご理解いただけたと思います。

ASC-USと判断された後の精密検査では、異常なしと診断されることがほとんどです。しかしがん細胞が見つかることもあり、がんが見つかったなら一刻も早く治療を開始しなければなりません。

もし女性特有の病気に不安があるようでしたら、検査・治療ともにLadies clinic LOG 原宿お気軽にご相談ください。親身にサポートいたします。

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監修者

院長

清水拓哉

経歴

  • 杏林大学医学部卒業
  • 筑波大学附属病院初期研修
  • けいゆう病院後期研修
  • 横浜総合病院などで勤務した後に開業

資格

  • 日本産婦人科学会専門医
  • 産婦人科内視鏡技術認定医

所属学会

  • 日本産婦人科学会
  • 日本産婦人科内視鏡学会
  • 日本子宮鏡研究会

手術実績(通算)

  • 腹腔鏡手術・700件以上
  • 開腹手術・150件以上
  • 帝王切開・300件以上
  • 分娩(経腟分娩)・1000件以上
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