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妊娠初期の不正出血とは?生理との違いや原因・正しい対処法を確認

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妊娠初期に出血が見られると不安になる方も少なくありません。
不正出血があったからといって必ずしも異常を意味するわけではありませんが、原因によっては早めの受診が必要な場合もあります。

本記事では妊娠初期に起こる不正出血について、考えられる原因や受診を検討すべき状況を解説します。
自己観察の際に確認しておきたいポイントや、医師に相談すべきケースも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

妊娠初期の不正出血とは?

妊娠初期の不正出血とは、生理以外の原因によって性器から起こる出血を指します。
着床出血・絨毛膜下血腫・早期流産などの「妊娠性出血」と、子宮や卵巣などの器官に構造的な異常があって発生する「器質性出血」、ホルモンの分泌など機能の不調によって生じる「機能性出血」に分類されます。

生理との違い

不正出血は生理とは異なる出血であり、原因によって出血の量や色が異なります。
生理は赤色から暗めの茶色で出血量が多く、期間は3~7日程度継続するのが一般的です。

一方、着床出血は薄いピンクや茶色をしており量も少なく、3~4日以内に治まる特徴を持ちます。
生理が周期的に起こるのに対し、不正出血は妊娠に伴う身体の変化や病的要因によって生じる点が大きな違いです。

妊娠初期の不正出血の原因

どのような場合は不正出血が起こるのでしょうか。
妊娠初期の不正出血には、さまざまな原因が考えられます。
原因によって出血の状態や痛みの有無などが変わってくるので、原因ごとの特徴を確認しておきましょう。

着床出血

着床出血とは、妊娠初期にみられる出血の代表的な原因の一つであり、受精卵が子宮内膜に潜り込む着床が起こる際に生じる少量の出血のことをいいます。
ちょうど次の生理予定日と同じ時期頃に見られ、妊娠した女性の20~30%程度が経験します。

着床出血の場合は血の色が薄いピンクや茶色で、生理と比較して薄い色なのが特徴です。
これは生理的な現象で、多くの場合心配はいりません。

絨毛膜下血腫

絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)とは、将来胎盤になる膜である絨毛膜の下部分に血が溜まった状態をいいます。
妊娠中期までに自然に治ることが多いため経過観察となるのが一般的です。

ただし、出血が続いている間は安静にして過ごすことが推奨される場合があります。
出血の色は赤または茶褐色で、量は血腫のできる位置によって異なり、少量から多量まで差があります。

早期流産

妊娠12週未満で起こる流産を早期流産といいます。
下腹部に痛みを伴うことから、気づきやすい症状ともいえるでしょう。

原因は染色体異常や受精卵自体に何らかの問題があることで生じると考えられています。
出血量は人によって異なり、赤や茶色がかった赤、ピンクの色を示します。時間が経つにつれて色が鮮やかになり、出血量が増えるのが特徴とされています。

切迫流産

切迫流産とは、妊娠22週未満で妊娠が継続してはいるものの、流産の危険性が高まっている状態です。
不正出血のほか、下腹部の鈍い痛み、張りなどを感じることがあります。
出血量は少量から多量まで差があり、サラっとした鮮血が特徴です。

切迫流産を完全に防ぐ方法はありませんが、医師の指導のもとで適切に対処することが大切です。

異所性妊娠

異所性妊娠は、子宮以外の場所に着床してしまう状態のことをいいます。
卵管や卵巣、子宮頸管、腹腔内などで起こることが多く、中でもよく見られるのが卵管での異所性妊娠です。

出血量は少量から多量まで幅があり、色は茶褐色または暗赤色です。
腹部に強い痛みを感じることが多く、出血が長く続くことがあります。
放置するのは危険であるため、早急に病院の受診が必要です。

胞状奇胎

胞状奇胎(ほうじょうきたい)とは、胎盤の一部が異常増殖する絨毛性疾患です。
すべての絨毛に異常が生じる完全奇胎と、正常な絨毛と異常な絨毛が混在する部分奇胎があります。

多くの場合、妊娠を継続できません。
超音波検査が普及したことにより、早い時期に見つかることも増えてきました。
不正出血は少量から多量まであり、茶褐色や暗赤色をしています。

前置胎盤

前置胎盤とは、子宮の出口である子宮口を覆う形で胎盤が付着している状態のことをいいます。
妊娠中期から後期のタイミングで痛みを伴わない少量の赤色の出血があり、分娩直前に大量出血のリスクを伴うのが特徴です。
超音波検査で前置胎盤であることがわかっても出産までに改善されることがありますが、妊娠後期まで続いた場合は帝王切開となります。

子宮腟部びらん

子宮腟部びらんは、子宮の入り口に近い位置に赤みが見られる状態のことです。
妊娠の経過に大きな影響を与えるものではありませんが、出血やおりものが増えることもあります。
出血量は生理より少なく、赤やピンク、茶色をしているのが特徴です。

子宮頸管ポリープ

子宮頸管ポリープは、子宮頸管部にできる小さな良性の腫瘍です。
ほとんどのケースでは症状がありませんが、出血が見られる場合もあり、赤や茶色のさらっとした鮮血が少量あるのが特徴です。

妊娠経過に大きな影響を与えるものではありませんが、出産時に邪魔になりそうな場合はポリープを切除することもあります。

妊娠初期の不正出血の対処法

妊娠初期に不正出血が起こると強い不安を感じてしまいますが、必ずしも異常を示すものではありません。
しかし、早急な対応が必要となるケースもあるので、正しく判断し、対処につなげることが重要です。

ここでは、妊娠初期に起こる不正出血の対処法を解説していきます。

出血の色・量・期間を観察する

まずは出血の色や量を確認しましょう。
原因によって色や量が異なるため、よく観察することである程度状況を判断できます。

一般的に、茶色や暗い赤色の出血は古い血液が出てきている場合が多く、ごく少量であれば緊急性は高くありません。
ただし、出血が長く続く場合は念のため診察を受けましょう。

また、鮮やかな色の出血の場合でも、おりものに少量混ざる程度なら過度に心配する必要はない場合もあります。
もし出血の量が多い場合は、異常な出血の可能性があるため、早急に病院を受診しましょう。

出血の始まったタイミングと終わったタイミングを記録しておくと医師が診断しやすくなります。

腹痛の有無・程度を確認する

腹痛があるか、ある場合はどの程度かを確認します。
基本的に、心配する必要のない出血の場合は、ほとんど痛みを伴いません。
そのため、腹痛がある場合は注意が必要です。

特に、耐え難いほどの激しい痛みがある場合は、流産の進行や異所性妊娠による破裂の可能性があります。
緊急性が高いため、速やかに受診してください。
一方で、痛みを伴わない場合は、すぐに受診が必要となるケースは多くありません。

医師に相談する

原因不明の不正出血が続いたり、出血量が多かったり、失神・ふらつき・動悸などの他の症状がある場合は、迷わず医師の診察を受けましょう。
原因不明の不正出血によるストレスを抱えるのは精神的にもよくありません。
診察の結果何も問題がないことがわかれば、安心にもつながります。

ほんの少量の出血で痛みがない場合は、記録として残し、定期検診の際に報告するのも一つの方法です。

妊娠初期の不正出血に関するよくある質問

妊娠初期の不正出血は不安を招きます。
ここでは、妊娠初期の不正出血に関する質問をまとめました。

いつ妊娠検査薬を使えば良いですか?

妊娠初期の不正出血の中でも、特に可能性が高いのが着床出血です。
着床出血は妊娠の可能性があることを示すものではありますが、妊娠検査薬で正しく反応が出るのは生理予定日の1週間後あたりからとなっています。
そのため、妊娠検査薬を使うのは生理予定日の1週間を過ぎてからにしましょう。

注意点として、仮に異所性妊娠(子宮外妊)であった場合も、検査薬の反応は陽性となります。
陽性を確認したら早い段階で産婦人科を受診し、状態を確認してもらいましょう。

自分で着床出血と生理を判別できますか?

着床出血は生理と非常に似ているため、自分で見分けるのは難しい場合があります。
目安としては、生理では血液の塊が出ることがあるのに対し、着床出血ではほとんど見られません。
また、着床出血は量がごく少なく、色は薄いピンクや茶色で、期間は1~2日程度、長くても3~4日ほどで終わることが多いのが特徴とされています。
生理予定日の前後に起こりやすく、通常は生理痛のような痛みもありません。

これらを参考に見極めてください。
自己判断が難しい場合はクリニックで相談してみることをおすすめします。

予防する方法はありますか?

残念ながら、妊娠初期に起こる不正出血を予防する方法はありません。
これは、母体がコントロールできない原因によって不正出血が生じるためです。

ただし、一般的な生活習慣の工夫として無理な運動や過度のストレスを避ける、長時間立ちっ放しにならないなどの工夫は有効といえます。

妊娠・出産に悪影響はありますか?

不正出血は必ずしも妊娠や出産に悪影響を及ぼすわけではなく、影響の有無は原因によって異なります。
たとえば、着床出血のように妊娠経過に影響しない場合もあれば、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)のように母体や胎児に影響する疾患が原因となる出血もあります。

出血があった場合は軽視せず、痛みや出血量、期間などの状況を確認し、早めに医師に相談して正しい診断を受けることが大切です。

妊娠初期の不正出血について正しい知識を持とう

いかがでしたでしょうか?
妊娠初期に起こる可能性のある不正出血について、原因や対処法をご紹介しました。
すぐに受診を検討すべきケースについても理解できたのではないでしょうか。

生理との違いを確認し、気になる点や不安がある場合は、クリニックに相談することをおすすめします。
Ladies clinic LOG 原宿では、当日受診も可能です。
受診前の相談でご利用いただけるサポートチャットもご用意しているので、不正出血に関してお困りのことがあればご相談ください。

監修者

院長

清水拓哉

経歴

  • 杏林大学医学部卒業
  • 筑波大学附属病院初期研修
  • けいゆう病院後期研修
  • 横浜総合病院などで勤務した後に開業

資格

  • 日本産婦人科学会専門医
  • 産婦人科内視鏡技術認定医

所属学会

  • 日本産婦人科学会
  • 日本産婦人科内視鏡学会
  • 日本子宮鏡研究会

手術実績(通算)

  • 腹腔鏡手術・700件以上
  • 開腹手術・150件以上
  • 帝王切開・300件以上
  • 分娩(経腟分娩)・1000件以上

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当ページは、医療広告ガイドラインを遵守し、当院の医師による監修のもと掲載しています。
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完成した記事は当院ドクターが医学的な正確性を確認し、さらに薬事法に抵触しないか専門機関によるチェックを経て公開しています。

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