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粘膜下筋腫とは?子宮筋腫の種類や症状、治療法を解説

local_offer粘膜下筋腫

月経のトラブルに悩んでいる方のなかには、子宮筋腫という言葉を耳にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
子宮筋腫には、粘膜下筋腫をはじめとするさまざまな種類があり、それぞれ症状にも違いがあります。

本記事では、粘膜下筋腫のほかにもある、子宮筋腫の種類や症状、治療法を解説します。
子宮のトラブルでお悩みの方は、ぜひご覧ください。

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子宮筋腫とは?どのような病気?

子宮筋腫とは、平滑筋(へいかつきん)という子宮を構成する筋肉組織の中にできる、良性の腫瘍のことです。
若い世代の方から閉経後の方まで罹患する可能性がある、女性にとって身近な疾患です。

子宮筋腫は、発生する場所によって粘膜下筋腫・筋層内筋腫・漿膜下筋腫の3つに分かれます。
詳しくは後述しますが、種類によって表れる症状は異なります。
また、筋腫が小さければ、自覚症状が表れないことも珍しくありません。
しかし、筋腫は時間の経過とともに大きくなるため、月経の期間が長くなる、もしくは出血量が増えるなど、症状が徐々に表れるとも考えられます。

なお、筋腫が大きくなるのは、女性ホルモンのエストロゲンが関係しているので、閉経を迎えて女性ホルモンの分泌量が減少すると、筋腫が小さくなることもあります。

子宮筋腫の種類

子宮は、内側から「子宮内膜」「筋層」「漿膜(しょうまく)」とよばれる3つの層でできています。
子宮筋腫の種類は、この3つのうちどの層に筋腫が発生するのかによって異なります。

以下でそれぞれの子宮筋腫の特徴を見ていきましょう。

種類①粘膜下筋腫

粘膜下筋腫とは、子宮内膜の直下に発生する筋腫です。
子宮の内部に筋腫ができるため、小さくても、月経の期間が長くなる“過長月経”や、出血量が増える“過多月経”の症状が強く表れるのが特徴です。
なお、ほかの筋腫と比べて発生頻度はあまり高くありません。

また、粘膜下筋腫が茎からぶら下がっているような状態のものを、有茎粘膜下筋腫といいます。
有茎粘膜下筋腫ができると、月経時の出血量が非常に増え、貧血を起こすこともあります。

種類②筋層内筋腫

筋層内筋腫は、子宮の壁を構成する筋層の中にできる筋腫です。
子宮筋腫と診断される方の多くが、この筋層内筋腫であるとされています。
ほとんどの場合、筋腫が小さいうちは無症状ですが、大きくなると過多月経や月経痛、貧血などの症状が表れます。

種類③漿膜下筋腫

子宮の表面を覆う漿膜の下から、外側に突き出るようにできるのが漿膜下筋腫です。
自覚症状のないことが多く、筋腫が外側に向かって巨大化すると、下腹部にしこりが生じるのが特徴です。

また、子宮本体から離れた場所にでき、細い茎で漿膜とつながる筋腫を、有茎漿膜下筋腫といいます。
稀にその茎がねじれることがあり、その際には激痛を伴います。
茎がねじれた状態で放っておくと、腹膜炎の合併症を引き起こし、より危険な状態になりかねません。
痛みが生じた場合は、早めにクリニックでの治療を受けましょう。

子宮筋腫の症状

ここまでは、3種類の子宮筋腫についてご紹介しました。
子宮筋腫は、それぞれの種類ごとにみられる症状にも違いがあります。
子宮筋腫を発症した際によくみられる症状を、以下で確認しておきましょう。

ケース①無症状

多くの場合、子宮筋腫を発症しても自覚症状がなく、子宮がん検診を通して筋腫の存在が明らかになります。

検診で子宮筋腫が見つかっても、無症状であればすぐに治療を受けなくてもよい場合があります。
しかし、筋腫が大きくなり、症状が表れ始めた際には治療が必要になるかもしれません。
念のため日々の体調の変化に気をつけて、症状を自覚したら、すぐに医師に相談してください。

ケース②月経に伴う症状

粘膜下筋腫や大きくなった筋層内筋腫によって、子宮の内腔が変形すると、月経に伴う症状がみられます。

主な症状として、月経の期間が平常時より長くなる過長月経や、出血量が増える過多月経、あるいはレバーのような血の塊が多く出ることがあります。
出血量が増えると、動悸や息切れ、めまいを伴う貧血状態になることも少なくありません。
このほか、月経時の下腹部の痛みや腰痛、頭痛も起こりえます。

あまりに症状がひどい場合は、子宮内膜症や子宮腺筋症などとの合併が疑われるため、クリニックへの受診をおすすめします。

ケース③下腹部のしこり

漿膜下筋腫が外側に向かって大きく成長した場合や、筋腫が多発して子宮が腫れてしまった場合は、下腹部を外から触るとしこりのような感触があります。

筋腫が子宮内で増大すると、月経の異常や下腹部の痛みなどの症状が表れるかもしれません。
しこりのようなものを感じたときは、一度超音波検査を受けて子宮の状態を確認してみましょう。

ケース④圧迫症状

大きくなった筋腫が、膀胱や大腸などの周囲の臓器を圧迫すると、頻尿や排尿困難、便秘、あるいは腰痛の症状を引き起こします。
特に漿膜下筋腫の場合、外側に向かって大きくなるため、この圧迫症状を起こす可能性が高まります。

このような症状が出ると、日常生活に支障をきたすおそれもあるため、違和感を覚えたらクリニックへの受診をご検討ください。

ケース⑤疼痛・発熱

筋腫の状態が変化することで表れるのが、疼痛や発熱です。

筋腫が急速に増大すると、血行障害が起こることがあります。
それによって筋腫が壊死し始めた際に、激しい腹痛や発熱が生じるのです。
筋腫の壊死による痛みは、数日から数週間続くとされています。

また、有茎漿膜下筋腫の茎がねじれた場合にも、疼痛や発熱の症状が表れます。

このような症状に対しては、手術による治療を必要とする場合もあるため、主治医に相談するとよいでしょう。

ケース⑥不妊症

不妊症でお悩みの方は、子宮筋腫が原因である可能性を考えてもよいかもしれません。

粘膜下筋腫や大きくなった筋層内筋腫によって、子宮の内腔がでこぼこに変形することがあります。
こうなると、受精卵が着床しにくくなる、あるいは着床しても流産しやすい状態になるのです。

なかなか妊娠できなかったり、流産を繰り返したりしている方は、ぜひ子宮筋腫の検査を受けてください。

子宮筋腫の検査

月経の様子や下腹部の感触などに少しでも違和感を抱いたら、検査を受けましょう。

子宮筋腫の検査では、問診のあと、内診で子宮や卵巣にしこりがないかどうかを確認します。
そのあとは、子宮や卵巣の状態を確認するために超音波検査が実施され、筋腫の大きさや数が明らかになるのです。

超音波検査では、一般的に痛みは生じないので、安心して検査を受けられます。

子宮筋腫の治療法

前提として、子宮筋腫は必ずしも治療を必要とする病気ではありません。
筋腫が小さく、特に症状がなければ、経過観察となることがほとんどです。

しかし、出血が多く痛みがある場合や、不妊の症状が出ている場合は、治療が必要となることもあります。

ここからは、子宮筋腫の治療法をご紹介します。

薬物による治療

薬物による治療では完全に筋腫を取り除くことはできませんが、症状の緩和が期待できます。

治療には、以下のような薬物が使用されるのが一般的です。

【子宮筋腫の治療によく用いられる薬物】

  • GnRHアナログ製剤
  • ホルモン製剤
  • 鎮痛剤
  • 鉄剤
  • 低用量ピル

なかでもGnRHアナログ製剤とホルモン製剤は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量を抑え、筋腫を小さくするために用いられます。
これらを使用した治療方法は、一時的に閉経している状態をつくるため、偽閉経療法ともよばれます。

ただし、骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があることから、GnRHアナログ製剤やホルモン製剤を使用できるのは6か月間のみです。
そして、治療をやめると筋腫はもとの大きさに戻ります。
手術前に筋腫を小さくする、もしくは閉経までのつなぎとして行われることの多い治療方法です。

また、鎮痛剤や鉄剤、低用量ピルは、月経痛や貧血などの症状に合わせて服用する場合もあります。

手術による治療

子宮筋腫の除去を希望される場合は、手術を受けることとなります。
子宮筋腫の手術には、子宮全摘術と子宮筋腫核出術が挙げられます。

子宮全摘術とは、子宮全体を摘出する手術のことです。
この手術を受けると、月経時の痛みや出血に悩むことも、子宮がんの心配をする必要もなくなります。
子宮全摘術を行う方法には、メスでおなかを開けて子宮を摘出する“開腹手術”と、おなかに開けた小さな穴から内視鏡や手術器具を挿入する“腹腔鏡手術”や“ロボット支援手術”があります。最近ではお腹に傷をつけずに経膣的なアプローチで子宮を切除する “vNOTE S(経膣的腹腔鏡手術)”も行われています。

一方、子宮筋腫核出術は子宮から筋腫のみを取り除く手術で、妊娠の可能性を残せる点が特徴です。
しかし、小さい筋腫まですべて取りきることは難しいため、再発することも珍しくありません。
この手術には、開腹手術と腹腔鏡手術にくわえ、子宮の入り口から内視鏡を挿入し、電気メスで筋腫を除去する“子宮鏡手術”が適応される場合もあります。

筋腫の数や大きさによって行える術式は限られますが、ご自身の年齢や妊娠希望の有無を踏まえて術式が検討されます。

手術に関して疑問や不安のある方は、お気軽にご相談ください。

粘膜下筋腫は子宮内膜にできる良性の腫瘍で、月経に伴う症状が表れる

今回は、粘膜下筋腫や筋層内筋腫などの子宮筋腫の種類を解説しました。

子宮筋腫は、発生する場所によって粘膜下筋腫・筋層内筋腫・漿膜下筋腫の3種類に分けられます。
自覚症状がないことも多いものの、筋腫の状態によっては、過長月経や過多月経などの症状が表れることもあります。
無症状の場合は必ずしも治療を必要としませんが、症状がひどい場合は、薬物や手術による治療が可能です。

月経の様子や下腹部の感触に違和感のある方は、ぜひLadies clinic LOG 原宿にお越しください。
経験豊富な医師が、患者様の希望に寄り添った治療法をご提案いたします。

監修者

院長

清水拓哉

経歴

  • 杏林大学医学部卒業
  • 筑波大学附属病院初期研修
  • けいゆう病院後期研修
  • 横浜総合病院などで勤務した後に開業

資格

  • 日本産婦人科学会専門医
  • 産婦人科内視鏡技術認定医

所属学会

  • 日本産婦人科学会
  • 日本産婦人科内視鏡学会
  • 日本子宮鏡研究会

手術実績(通算)

  • 腹腔鏡手術・700件以上
  • 開腹手術・150件以上
  • 帝王切開・300件以上
  • 分娩(経腟分娩)・1000件以上
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